クローン競馬

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南井克巳

タマモクロスという名馬に巡り会ったことで、1988年、デビューから18年目にしてようやく初めてのG1勝利をものにした南井克巳騎手は、その後は毎年のようにG1を勝利し、ついにはナリタブライアンで3冠を達成する。

初G1まで長い期間がかかったのち、次々とG1を制するようになった点につき問われた南井克巳騎手は、こう答えている。

「GI未勝利だったのはGIで本命になる馬に乗っていなかっただけの話じゃないですか。チャンスのある馬に何回か乗れば、誰でも勝てるのがGIですよ。」

確かに、例えば将来を嘱望されるも未だくすぶっている三浦皇成騎手は、中央のG1を未だに勝利していないが、三浦騎手が昨年、イクイノックスに乗っていたら、やはりG1の1つや2つは勝てていたように思う。

同じような思いをしている騎手は大勢いると思われ、騎手は腕だけでなく政治力も必要だということがよく分かる。観ている方としても、あの騎手が乗っていたら勝てていたのじゃないかと思うことも多いし、一度あの騎手を見せてみたいとか、同じ条件で違う騎手が乗った場合を観てみたいと思うことも多い。

全兄弟

競馬は血統のスポーツであり、優秀な(速い)血を残し淘汰していくことから、悲しいことに牡馬は活躍した馬、又は血統の良い馬しか種牡馬にはなれない。一方、牝馬は基本的に全員が繁殖牝馬として子供を産む。

よって、競馬の世界では兄弟(姉妹)といえば母馬が同じ馬のことを言い、特に父も母も同じ馬の場合を「全兄弟」という。しかし、全兄弟であってもその競走成績には相当の違いがあり、活躍した配合と同じ配合だからといって、その弟(妹)が活躍するとは限らない。

よって、全兄弟同士の対決であれば、騎手(調教、仕上がりは別として)の腕だけの戦いとなるかというと、そうはならない。

純粋に騎手の腕だけでレースをするというのなら、クローン馬同士の対決でないといけない。もっと厳密に言えば、育成や調教も同じ馬でないと、クローン馬同士の対決であっても、牧場や調教師の腕の違いで馬の力に差がついてしまう。

クローン競馬

騎手からすれば、一度はG1級の馬に乗ってみたいとか、あの馬質なら俺だって100勝でも200勝でもできると思っているだろうし、なんだったら全く同じ馬で競争したら、俺が一番速くなるとまで思ってそうだ。

クローン技術も向上し倫理上の問題もクリアできたなら、そう遠くない将来、クローン競馬が開催されるかもしれない。そうなると馬は競艇におけるボート、競輪における自転車と同じになるから、出馬表には馬の名前はなく、騎手の名前だけが並ぶことになる。

そう考えたみたところで、はたと思うのは、何とつまらなさそうな事かと。俗に馬7人3などと言って、馬の早さは馬の力が7、騎手の力が3の割合だと言われるが、競馬の魅力で言うと、馬95人5くらいはありそうだと気づいた。

これは、騎手なんて実は見るべきところは無いんだよというのではなく、やはり馬という生き物の魅力があまりにも大きいということなんだと思う。なので、騎手の気持ちも分からないではないが、いい馬に乗るのも技術のうちということで、騎手の方々には頑張ってほしい。

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