1969年
馬券や車券の話ばかりで、かね・カネ・金といった感じになっているので、ここでベタな記事になるが「好きな騎手」「好きな選手」というのを書いて少し金の匂いを弱めて、ライト読者の期待に応えてみよう。
まずは好きな騎手だが、そもそも「好きな〇〇」といった場合、一番好きな〇〇というのは、余程のことが無いとなかなか難しい。例えば好きな料理と言われれば、ラーメン、ギョウザ、ペペロンチーノ、カレー、ナスの揚げびたしなどと幾らでも出てくるが、じゃあ一番は?と言われると難しい。
騎手も同じで、レジェンド武豊はもちろん、引退したアンカツ(安藤勝己)も好きだったし、若手では坂井瑠も応援している。他にも、最近活躍が増えている女性騎手たちにあっては、まるで我が子のように見えて、どうしても肩入れしてしまう。というように、沢山いるから一番を決めるというのは難しい。
しかし、私の場合。やはり一番というと武豊ということになる。
武豊
今までの戦績や記録については、あらためて述べるまで無いだろう。おそらく、これほどの成績を残す騎手は二度と現れないと思われるほど突出している。
しかし、武豊、イチローと並んで平成の天才と称された将棋の羽生善治においては、これほどの天才は100年は出ないだろうと思われたところ、藤井名人というとんでもない天才が、もう登場している。競馬界にも藤井聡太のような天才が出現してほしいところだ。
そんな武豊が一番好きというのは、30年以上競馬をやってきた人間としては、あまりにベタで恥ずかしいくらいなのだが、それには理由がある。まず、私は1969年と生年が同じで(学年は私がひとつ下)、かつ私が初めて買ったレース(春の天皇賞)で勝ったイナリワンに乗っていたのが、この武豊だった。
イナリワン
そもそもギャンブル好きで競馬にも興味のあった私は、いつか馬券(正式名称が勝馬投票券であることは、こち亀で知っていた。)なるものを買いたいと思っていたところ、20歳になるのがほんの少し待てずに、19歳11ヵ月の天皇誕生日に行われる(当時は曜日に関係なく、必ず4月29日の天皇誕生日に春の天皇賞が行われていた。)春の天皇賞で馬券デビューを果たした。
スルーオダイナが本命だったが、当時、馬の名前は噂になっていた(この時、まだオグリブームにはなっていない。)オグリキャップくらいしか知らなかったから、スルーオダイナと聞いてもピンとこなかった。
騎手のほうは、そのスルーオダイナに乗っている岡部幸雄が第一人者というのは知っており、もちろん武豊という同い年の凄い新人がいるのも知っていた。しかし、その武豊の乗っているイナリワンという馬はもちろん知らないし、全く眼中になかった。
そして、馬券はスルーダイナから枠連3点を流したが、結果はそのイナリワンが勝ち、馬券はビギナーズラックなど無く、以後の私を象徴するかのように丸ハズレだった。
時給マイナス20万
初の馬券ということもあって、なけなしの1万円を突っ込んでいたので、わずか3分で1万円を失ったが、これは時給に換算するとマイナス20万である。
一方の武豊はたったの3分で1着賞金(確か1億円)の5%である500万を稼ぎ、これは時給に直すと1億円となる。ああ、こうも違うのかと思うのと、これは本物だと思う気持ちが強く印象としてで残った。
しかも、その後の武豊の活躍はまさに想像以上であり、やはり常に注目していたし(誰もがそうだった)、好きな騎手として1番に上げざるを得ない。そして、一方の私の没落ぶりも想像以上(想像どおり?)で、この年までギャンブルには負け続きである。
しかし、あきらめたらそこで試合終了だから、死ぬまでにプラスにする。と、しておこう。あと「好きな選手」は、次回に持ち越そう。
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