はじめに
競馬必勝法のアイデアとして、資金配分をメインとした1回目、レースを絞り得意の条件だけで勝負するとした2回目を受けて、3回目は少し異端となるサイン理論やケントク(見得)買いなどと言われるオカルト必勝法について、お話をしようと思います。
競馬予想というのは俗にどんな推理小説より難しく、そして楽しいなどと言われます。しかし、面白いことにそんなに奥が深くて難しい割には、結果が全てであり、どんな方法で勝ち馬を当ててもそれが正義です。
推理小説では、当てずっぽうやトリッキーな当て方(この作者は必ず3人目の登場者を犯人にしているとか)で犯人を当てても、誰も褒めちゃくれませんし、当てた本人も誇ることはできないでしょう。
しかし、馬券は当てたものこそ正義であって、また払戻金という大きな見返りもあり、名も実も手にします。そして、外した方はどれだけ予想に説得力があろうが、緻密だろうが外れは外れで、逆に説明をすればするほど恥ずかしい上、貴重なお金も無くなっています。
オカルト必勝法
よって、邪道だろうが、恥ずかしかろうが、勝ちさえすればオカルト必勝法も素晴らしく誇ることのできる立派な必勝法となります。しかも、成績もオッズも無視するところから始まりますから、当たったときの破壊力は半端ありません。
ただし、科学的な根拠に基づくものではありませんので、そのオカルトによる買い目に対して、いつもと同じ熱量で同じ金額を賭けられるかどうか、これが問題です。
例えば、あのオルフェーブルが大逸走するも2着(単勝1.1倍)となった阪神大賞典の次走である春の天皇賞で、そのオルフェーブルは単勝1.3倍の1番人気に押されましたが、この時のオルフェーブルの単勝を100万(不安はあるが、オルフェーブルで1.3倍もつくのは美味しいとの考え)買うならあり得ます(結果は11着)が、勝ったビートブラック(単勝159.6倍)が、オカルト予想で本命になったからといって、その単勝を100万買えるかと言うと、普通は買えないですよね。買っていれば、オッズが下がったとしても払戻は1億円あったでしょう。
オカルト必勝法の色々
それでは、具体的にいくつかオカルト必勝法の方法を紹介しましょう。まずは、昔からあるゴロ合わせです。子供が生まれた時は何かと物入りのところ、縁起がいいっていうんで、当たりを呼んでくるといいますが、その場合は3-5(産後)なんていう語呂合わせで買えなどと言われます。
他には誕生日であったり、単に自分の好きな数字でも良い訳です。しかし、この買い方では常に同じ買い目になりますから、それで続けて勝つのは難しいでしょうから、言わばここぞという一発の時の買い方です。
次に一世を風靡した「タカモト方式」というオカルトです。これは昔からある「サイン方式」という方法で、競馬の結果は最初から決められており、それはどこかにサインとして示しているという理論です。
そこで疑問なのは、じゃあ、JRAは何でそんなことをしているのかということですが、これはある団体に向けてサインを発出してその団体を設けさせるためで、一説によるとその団体とは政党などと言われています。そういえば、昔から金のかかる選挙の前には、選挙資金を稼がせるために大穴が出るなんて言いますが、それもこのあたりの話からきているのでしょう。
サイン理論
サイン理論で有名なのは、時事馬券とも言われるもので、その年の世相や事件がサインとなっているというもの。特にその年の総決算である有馬記念においてよく言及されます。アメリカ同時多発テロのあった2001年の有馬記念が「マンハッタン」カフェ、「アメリカ」ンボスで決まったのは良く知られています。
また、2008年の有馬記念は1着が1番人気のダイワスカーレット、2着が最低人気(14番人気)のアドマイヤモナークで、馬連13-14が29,490円の大穴となりましたが、枠連の8-8が18,640円と安かったのは、同年の北京オリンピックが開催された8月8日の馬券が売れていたからと言われています。
他にも、当日G1が行われる競馬場のゲストにちなんだもの(2010年の有馬記念の表彰式でプレゼンターだった横綱白鵬の白=1枠のヴィクトワールピサが勝利など)や、ポスター、CMなどあらゆるものが対象となるため、可能性は無限ですし、自分独自のサインを見つけることができます。
怪人阿藤快
ここで思い出すのが、惜しくも2015年(69才)に亡くなった俳優の阿藤快さんです。競馬(馬券?)好きでも知られる阿藤快さんは、競馬ファンの間ではその独自の馬券術でも有名で、グリーンチャンネル(競馬専門チャンネル)の「競馬場の達人」という、競馬好きの著名人が1日競馬場で馬券を買い、その成績を競う番組でも、阿藤さんの出場回は人気があったといいます。
その馬券術というのが、おそらく全国でも氏が唯一操っていると思われるもので、馬名を数字に変換し、さらに九星占星術を使うというもので、ここで詳細は割愛しますが、馬名のほうはア行を1、イ行を2~オ行を5とし(キズナなら、最初のキ=イ行の2と、最後のナ=ア行の1の合計3とする。)、その日の九星(一白とか四緑とかいうやつ)が例えば五黄なら2,5,8,10,12,15,18あたりに注目し、それらを組み合わせるという馬券術です。
何の根拠があるかよく分かりませんが、これが当たる上に高配当が続出するという不思議さで、氏はこの馬券術に関する書籍も出しているくらいです。先の「競馬場の達人」の1回目の出演でも、手持ちの10万円を37万強にまで増やしています。
オカルト馬券の色々
他には、一時期流行った「連動馬券」というのもあります。あるレースで決まった枠番が、別のあるレースと連動しているというもので、例えば○○特別が3-6で決まったら、△△ステークスで3枠か6枠、どちらかの馬が連対するというもの。
また、6枠にグリーン○○とか、1枠にホワイト○○が入ったとか、8枠に入った馬の馬主が○○桃子さんであるとか、何かの重なりを激走のサインとするものや、8枠に入った3頭の頭文字がア・タ・ルになっているから激走するとか、あらゆる部分がネタになります。
枠番の色、馬名や騎手名の文字、枠の数字など、使えるものや語呂ができるものがいくつもあり、占星術など占いの類いまで発動させることができるため、組み合わせは無限にあると言っていいでしょう。
最後に
オカルト馬券は、的中率はなかなか上がってきませんが、当たった時の配当が大きいため、回収率は100%を超えるものも多く、実は予想するより成績が良くなったと言う人も多いようです。
時事馬券や語呂合わせのように、いくつかのレースで使用するならともかく、継続的に使うとなると阿藤快さんのような馬券術を編み出す必要があり、しかも結果が出るまでに時間もかかりそうですから、自由度は高くても必勝法として確立するのは難しいかもしれません。
しかし、一旦、いつもどおりの予想馬券から離れて、オカルト馬券を試してみることで、本命の危うさや穴馬の傾向など、今まで見えなかったものがかえって見えてくることもあるかと思います。
また、特に競馬歴の長い方は邪道と言って敬遠する節もありますが、こういう楽しみ方もあるというくらいに気楽に構えて、競馬を馬券をもっと楽しみましょう。
コメント