大坪元雄とその名言

競馬のハナシ

大坪元雄の知名度

Google検索で「大坪も」と打てばもう最初の候補として出てくるので、そのレベルでの知名度はあるといえる。KBS京都やサンテレビでやっていた競馬中継のメイン解説者だったので、競馬好きで特に関西の人間にとっては馴染みの名前であるが、全国的にはどうなのだろう。

日曜日の3時から4時に放映されている、フジテレビの競馬中継でも関西のレース解説をしていたから、知っている人も多いのではないだろうか。ちなみに、長らく競馬ブックの関西版の本紙担当をしていたので、中継を見ない人もそれで知っているという人も、関西には多い。

なお、関西では競馬新聞と言えば競馬ブックのことであり、専門紙でのシェアは70%は超えていたのではないだろうか。もちろん、私も長い間、競馬ブックを購入していたが、値段が高いこととさらに最近はスマホで出馬表を見るため、新聞はサブ扱いであることもあり、ここ数年は大スポを購入している。

予想は至って普通である。オッズを作るとまで言われた関西における競馬ブックの本紙担当であるから、なかなか穴狙いの印をつけるのが難しいというのもあろうが、基本的には堅い予想。しかし、馬連万馬券が本命・対抗だったこともあるため、堅いところ、人気どころだけに印を打っていた訳ではない。予想したら結果的に人気サイドだったということだろう。

大坪元雄とデラデラノビア

大坪元雄といえば、予想よりも解説での迷言と馬名の発音と言い間違いである。まずは有名なデラデラノビア。(ディアデラノビア)昭和15年生まれには「ディ」は辛い。スティンガーはステンガーになるし、エリモダンディーはエリモダンデーに、ティコティコタックはテコテコタックだ。

なお、人柄は本当に優しく清潔感があってダンデー(ダンディー)だったようだ。そして、リトルアマポーラをリトルマーメイド、クロフネをシロフネと言ったり、クロシオと言ったりという事もあった。

大坪節と名言

解説は当たり障りのないものであったが、その表現や言い回しに特徴があり、大坪節ともいえるその言い回しは心地よかったのか、今でもいくつか覚えている。案外を存外(ぞんがい)、大きな牝馬はグラマーやグラマラス、おとこうま、おんなうま、ふるうま・・・騎手の事は「ヤネ」と言っていた。

そのあたりは名言というより言い回しであるが、名言(迷言?)もきっちり用意されている。

「10点満点はあげられないが、90点位はあげられるのではないでしょうか。」

競馬ブックのトラックマン、松本晴夫

他にも競馬ブックのトラックマンで私が好きだったのが、松本晴夫。開催前日の夜にやっていた「競馬展望」で調教解説をよくやっていた。南井騎手と繋がりがあるという事で、彼の南井騎乗馬の印は良く見ていたが、あまり人気がない馬に本命を打っているから、「何か聞いているのか?」と思い買うと大体こない。

逆に、人気の馬に南井が乗ってるのに、無印。「こないのか?」と思ってはずすと1着。何て言うのが多く、「やはり、単純に予想してつける訳にはいかないということがあるのか?」と、「トラックマンと騎手と印」の関係について考えさせられることが多かった。そもそも、何故好きだったのかも良く分からない。

また、松本晴夫のポツン2重丸は、それがせっかく来たのに、狙いすぎなのか無印にした大本命馬が来たため、当たらずというのが多く、「松本晴夫のポツン2重丸から、松本晴夫の無印の人気馬」が私の馬券術になっていた時もあった。

競馬ブックの魅力

私は一時期、土日は競馬ブック、月曜日には週刊競馬ブック、そして四半期に一度「競馬四季報」を買うほどの競馬ブックフリークであった。いや、関西の競馬ファンなら当たり前だったのかもしれない。

その魅力は、浮ついたところがなく、玄人(っぽい)おっさんが、競馬を語っているという身近さであった。ぶっちゃけ、競馬場で文句言っているおっさんに毛の生えた程度のおっさん達がトラックマンであるところ。

そして、私もその輪の中に入りたくて、募集要項を見てみたら、「裸眼で両目とも2.0」とか「大卒に限る」などハードルは高く、私などどっちも満たさないので、受ける事さえできなかった。大坪元雄と松本晴夫が満たしているとは思えないが・・・(二人とも眼鏡だし、大卒には見えない。)

今でも、競馬場での大勝負時は、私は競馬ブックを買うことにしている。もちろん予想する際のBGMは「ユアソー、ビュー、ティホー、イーン、ヤライー」(Your so beatiful in your eyes)という競馬ブックのCMだ。

追記)松本晴夫は、大卒でした。大坪元雄もきっとそうなのだろう。

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