単勝1点買いと多点買い

必勝法

単勝馬券は競馬の基本

フランスでは3連単ならぬ4連単、5連単という恐ろしい馬券があったり(少頭数のレースが多いかららしい)、逆に日本独自の枠連、枠単(地方競馬の南関東だけ)などという馬券があったりと、馬券はその国、競馬場により違うが、単勝馬券を売っていない競馬場は無い。馬券の基本中の基本である。

なお、日本の誇る「競輪」には単勝馬券は無い。過去にはあったらしいが、恐らく売れないのだろう。これはラインという競輪独自のスタイルから、予想は連勝式が本筋となるからなのであろうが、応援車券などを考えるとあってもいいような気もする。

但し、競輪におけるWin5である、1着になる車を複数のレースで当てる車券(K3やK5、そしてDokanto!)はある。ただし、Dokanto!は予想して買うのではなく、車番は自動でランダムに選ばれるため、これは宝くじと変わりない。

単勝馬券の買い方

単勝馬券の買い方(というより買われ方)は、概ね次の4通りである。

① 勝つと思う1頭だけを買う
② ①+その馬の複勝
③ 勝ちそうな馬を複数頭買う
④ 応援馬券

応援馬券は、予想や儲けとは縁がなく、そもそも換金しないケースもあるため、そうなると、もはや馬券ですらない。よって、ここで語ってもしょうがないので、①~③について検討する。

②の単勝と同時にその馬の複勝を買う場合については、その割合(単勝10に対して複勝90など)が問題となるだけで、基本的には「勝つと思う1頭」を買うことに変わりはない。

となると①と②は同じと見做して、次は単勝1点買いと単勝多点買いの比較をしてみよう。

単勝1点と多点買いの比較

予想

1点買いの場合は、言うまでもなく「勝つと思う1頭」を選ぶことになる。予想はストレートにすれば良い。また、馬の単勝オッズは問わない。例え1.1倍であってもトリガミにはならないからだ。もちろん、オッズの割にリスクが大きいと判断した場合は、買わないという選択肢もある。

多点買いの場合は、予想しているうちに1頭に絞れずに、複数頭が単勝馬券候補となるパターンと、例えばダントツの人気馬に死角があり「1番人気馬は勝てない」ところから始まり、2番人気以下から複数頭(もちろん、1頭でも良い。その場合は1点買いとなる。)選ぶ場合に分けられる。

この場合、気を付けなければいけないのは、トリガミである。特に3頭以上買うとなった場合や複数頭のうちの1頭に人気馬が含まれている場合は、トリガミになる可能性が高い。

それを考えると、予想しているうちに複数頭が残るという流れで多点買いするのではなく、人気馬が「消し」のレースである場合に多点買いをするという方法が適していると思われる。

オッズ

1点買いの場合は、オッズは気にしなくても構わない。しかし、最終的に購入する段階で、1.1倍など、あまりにオッズが低い場合は購入を見送る又は複勝に切り替えるために確認する必要がある。これは複勝を併用する場合も同じ。

多点買いの場合は、購入する段階でオッズを見るのは当然として、まず予想段階でオッズを見ながら検討する必要がある。新聞や成績を見て人気となりそうな馬がいるが「消し」と判断した時、その馬のオッズが単勝の1倍台であった場合、これが多点買いのチャンスである。

その後は「消し」とした馬の人気が高ければ高いほど、単勝多点買いの点数を増やすことができる。実際のレースで見てみよう。

先日の日曜日、京都6レースの3歳500万下、ダートの1200、1番人気のサトノギャロスの単勝オッズは1.2倍。なお、先に言っておくが、サトノギャロスは人気に応えて勝利している。この馬を「消し」と予想した場合、2番人気の単勝が9.1倍だから、9点(9頭)買ってもトリガミにはならない。

ここまでくれば、2番手以下の予想に時間を掛ける必要は無く、機械的に2番人気以下の馬の単勝を9頭を限度に買えばよい。

心の変動相場制

「心の変動相場制」とは、獣王、吉宗、北斗・・・パチスロ全盛期の私の愛読書「パチスロ必勝ガイド」に連載されていた、元カッパ君(今は山本コーラというらしい)のコーナーで、実際の勝ち負けとは別の心の勝ち負けを金額で表す、そんな内容だったと思う。

例えば同じ1,000円勝ちでも、10万勝っていたところから勝ち分を減らし、閉店時に1,000円しか浮いてなかったら、気分的にはボロ負けであり、逆に10万負けから取り返して1,000円勝ちなら、大勝ちに思えるということ。以下は、私の実話である。

ひとつめは、競馬。その日は夏なのに風邪気味で体調が悪く、かえってそういう時は勝ったりするものだが、私は京都競馬場で朝から3場開催の全てのレースを買って35レース連続でハズし、最終レースを残して5万近くの負けと500円玉が一つしかない。しかし、その500円で最終レースの3連単が当たり、何とプラマイゼロまで取り返した。もちろん、精神的には5万、いや10万勝ちであった。

続いては、少し細かい話で申し訳ないが、内容はパチスロ。「巨人の星」を初代からこよなく愛するダメスロッターの私が、その日の夕方から打っていたのは「巨人の星3」。これもなかなか勝てない台なのだが、好きなんだからしょうがない。

その日も半泣きで打っていたが、初めて聴いた「猛特訓じゃ!」に遭遇!(閉店まで後2時間30分、時間は足りるのか?)と焦りながら打っていたら速攻終了。この時の収支は覚えていない(どうせ負けてる)が、このスカスカ「猛特訓」の精神的収支はマイナス3万ほどあった。

種類別の馬券が精神に及ぼす影響

さて、長くなったが、単勝1点と多点の話に戻ろう。単勝1.1倍から1.2倍のダントツ人気の馬のいるレースでの単勝1点買いと多点買いについて検討しよう。

こういうレースの場合の単勝1点買いは、どうしても普通に予想すると、そのダントツ人気馬になってしまう。そして、オッズが低い分、賭け金は大きくなりがちである。そして、運よく勝てばいいのだが、この馬が負けた時の精神的な負債はかなり大きい。茫然自失とはこのことかというくらい唖然とする。

その一方、ダントツ人気馬以外の単勝を買う場合は、気持ちに余裕ができる。まず、馬券に賭ける金額は小さい。例えば先ほどのサトノギャロスの例でいうと、単勝オッズ1.2倍だから、1,000円勝つためには、その単勝に5,000円突っ込む必要がある。

しかし、2番人気(9.1倍)以下の5頭に賭けて、1,000円勝つとした場合は、900円で済む。(9.1倍×300円、17.4倍×200円、18.2倍×200円、23.3倍×100円、40.4倍×100円)そして、外れたところで、「そりゃ、そうだよね。」で済む。

そして、この精神的な負債というのは、かなり尾を引き、次のレースに悪い影響を及ぼすのは、今まで散々酷い目に遭ってきた私には痛いほど分かる。心の変動相場制の底に行ってしまうと、なかなか回復できないのだ。

まとめ

結局、私(たち)のような貧乏人には、単勝多点買いしかないのではないだろうか。精神的な負担だけではなく、実際に勝ち負けの面でもそうだろう。そもそも、人気馬というのはオッズを見て買われることが多く、実際の期待値よりオッズは低くなるから。特に人気騎手が乗っている場合は顕著である。

となると、結局は単勝を買うなら人気薄の多点買いとなる。もちろん、狙った穴馬1頭だけを買ってもよいが、それで当たるなら苦労はしない。

という事で、結論としては、「飛びそうな人気馬」のいるレースの単勝多点買い。ということになる。

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